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福祉と環境 新時代のリサイクル エコミラ江東 リサイクル事業連絡先
エコミラ江東
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FAX:03-5632-8816
【アクセス】

リサイクル事業

エコミラ江東の取り組み

2010年の開所以来、地元江東区の小中学生の体験学習の場として、また日本全国の自治体や海外からの視察を受け入れ、日本国内初の「環境・福祉・教育一体型事業モデル」として高い評価をいただいております。

2019年のG20大阪サミットにおいては、障がい者が誇りをもって仕事に取り組み活躍する事業モデルと、エコミラ江東で製造されたペレットを原料とした再生品が全世界に紹介されました。

施設規模・従業員数等

建物: 660u
機械: ペレタイザー1機
減容機1機
従業員数: 21名
事務・機械操作員6名
障がい者作業員 15名

障がい者の雇用形態

・1日6時間、週5日勤務
・東京都最低賃金に準拠
・各種社会保険加入
・トレイ等の選別作業

障がい者作業員の業務内容

  • ・搬入されたPS製品の色選別、異物除去
  • ・紙シール、ラベルなどの剥がし作業
  • ・搬入されたPS製品の色選別、異物除去
  • ・紙シール、ラベルなどの剥がし作業

環境教育への取組み

環境学習館(楽しみながら理解を深める)

海外からの視察

リサイクル事業体験(小学4・5年生)@

リサイクル事業体験(小学4・5年生)A

エコミラ江東が企業とともに目指すもの


一就労継続支援A型事業所におけるスコア表等資料一
令和5年度 令和4年度 令和3年度


自治体とNPOが協働した、環境福祉という地域貢献の形 (会報地球船No14より)

ようこそ、エコミラ江東へ

エコミラ江東は、私たち地球船クラブと江東区が協働して始まった環境福祉事業。家庭やスーパーなど、区内約9000ヶ所(2010年当時 現在は12,000ヶ所)から使用済みの食品トレーを回収し、発泡スチロールを再資源化(ペレット化)します。トレーの収集は区が、再資源化を地球船クラブが行う事業で、知的障がい者の雇用とリサイクルを結びつけた全国初の取り組みとして注目されています。昨年11月16日には小池百合子元環境大臣が、地球船クラブ顧問の炭谷茂氏(恩賜財団済生会理事長)と共に「えこっくる江東」にある工場を訪れ、視察されました。地球船編集部もその視察に同行し、エコミラ江東の現状と今後の展望について取材しました。

知的障がい者の方を、社会人にしたい

エコミラ江東で働く職員は、現在16人。所長の鳥海氏と事務や機械操作を担当する職員など4人を除き、11人が知的障がい者の方々です。事業を始めた当初はスムーズに作業が進まず、アルバイトを雇っていたものの、現在は全員が正規職員。稼働から2年目に入った現在は、チームワークもますます高まり、仕事の効率も上がっています。鳥海氏が何より驚いたのは、知的障がい者の方々の集中力。「いったん仕事を憶えてしまうと、私たちよりも正確に、スピーディに作業が進めてくれます。知的障がい者の方でも、単純化されたマニュアルを作ってあげれば、健常者と対等以上の効果をあげてくれると思っています。何より、一生懸命に仕事をしてくれる」と鳥海氏は言います。実際にメーカーの方からも、ペレットの質が上がったという話を頂くようになりました。ただの福祉施設として稼働するのではなく、工場として事業の質を向上させていくことを目指しています。
 また、エコミラ江東は環境学習施設としても活用されています。江東区内の自治会の方々や小学生から、見学の申し込みも増えているとのこと。同じ敷地内には環境情報学習館もあるため、展示を見た後にリサイクルの現場を見学できるというメリットがある。こうして、区民の間にも少しずつエコミラの取り組みが認知されつつあるといいます。

自立が進む職員たち

小池百合子氏の視察の際には、鳥海所長から職員の障がい者の方と保護者との間で生まれたエピソードが紹介されました。障がい者の方のお母さまが、息子の扶養家族として健康保険に入ったというお話をされたこと。また、別のお母さまからは、お父さまが亡くなったとき息子から「自分が一生懸命働いて面倒をみてあげるから」という励ましの言葉をもらい、元気づけられたというお手紙を頂いたことを話されました。他にも、息子の自立を嬉しく想っている保護者の方も多く、実際に工場を訪れ、どのような仕事をしているのか見学する親御さんもいらっしゃるそうです。そうして家に帰ると、息子と仕事の話をすることができることが嬉しいという声も頂きました。

持続可能な事業モデルとなるために

エコミラ江東では、知的障がい者の方に対し最低賃金として月に12万円前後を支払っていることから、鳥海氏は他の自治体でもエコミラのような環境福祉事業を展開できる可能性にも言及しました。「障がい者の方々が仕事をして給与を得ることは、税金を使う側から納める側になること。自治体にとって、トレーの回収費用は決して少なくありませんが、このような事業が増えれば障がい者の方々の雇用も増え、生活保護にかける予算も減ってくるのではないか」と。加えて、NPOの固定資産税などの軽減や協賛企業への表彰など、事業の資金繰りを支援するための仕組みづくりに関する提案も行いました。

稼動2年目、つぎのステップへ

知的障がい者の方々には、生活保護を受けない自立した社会人としての生活を。その保護者には安心を。また、市民には環境教育の場を。自治体や企業にとっては社会貢献の機会を。それぞれに参加の意義を提供しているエコミラ江東。これからは、民間の福祉施設と連携することで、障がい者が社会へ出るための訓練施設として利用することも計画されています。エコミラ江東は、環境と福祉、自治体とNPOが一体となった新しい事業のカタチです。これから、事業成果の検討、課題の洗い出しなどを進めながら、他の自治体の指標となるべく取り組んで参ります。

拡げよう、社会貢献の環 (会報地球船No13より)

江東区と地球船クラブが協働で進める社会福祉リサイクル事業「エコミラ江東」

江東区内の資源循環イメージ図

地球船クラブと江東区が協働して進めている社会福祉リサイクル事業「エコミラ江東」。前回の取材から半年、開所からは1年が経った。少しずつ自治体の間でも知られるようになり、視察や取材も増えているという。所長の鳥海氏を訪ねて、現状や2年目の目標などについて話を聞いた。

品質で勝負できる工場へ

取材は平日の午後4時。ちょうど、作業員が清掃作業を始めていた。見ていると、働いている知的障がい者の方々の表情が、以前よりも明るいことに気が付く。それぞれが自分の役割を理解し、いきいきと働いているように思えた。オペレーションもスムーズになってきていることも見て取れる。鳥海さんは、通常の業務に関しても、選別のスピード、選別の正確さなど、前とは比べ物にならないほど向上した、と目を細める。作業の段取りや方法が固まってムダがなくなり、作業員たちも仕事に慣れ、安心して仕事ができることが大きいという。こうした変化は、何より製品の質に現れる。半年前と現在とでは、この工場で生産されるペレットの質はかなり高くなっている。原料となるトレイの選別やごみの除去などは、ペレットの出来を直接左右するのだ。納入先の食品トレイ工場からの評判もいい。「うちの製品は、もうどこに出しても胸を張れるレベルのものですよ」と所長は言う。

仕事に誇りを、毎日に充実を

工場の壁には、規範や規則などが書かれた紙がたくさん貼られている。中でも目を引いたものが、A4の紙に大きく書かれた2つのスローガン@品質を誇れる工場には、明日がある。A日本一の再生原料メーカーを目指そう。というもの。所長はこの言葉を、張り紙だけでなく口頭でも毎日のように作業員たちに理解してもらえるようにしている。ある日、一人の作業員の子が「ずっとこの工場で働きたい」「工場はずっとなくならないですよね」と言いに来たという。所長は、「頑張っていいものを作っていれば、みんなが買ってくれる。一生懸命やっていれば大丈夫だよ」と言葉を返し、先のスローガンを作り張り出すことにした。その裏には、「社会福祉施設ではなく、社会に必要とされて働いているんだと、障がい者の方々に誇りをもって欲しい。頑張っていれば仕事を続けられる、充実した毎日を過ごせる、と実感して欲しい」という思いがあった。

地域のみんなで豊かになれること

スーパーや企業などから受け入れるトレイの量も徐々に増え始め、ペレットの新たな販売先も少しずつ広がっているエコミラ江東。この4月からは、エコミラ江東の基本理念である「環境と福祉の融合」を図るという観点から、新たに墨田区との連携も始まった。エコミラ江東には、1日に1600Kgの食品トレイを処理できる能力があるが、現状ではまだ600〜700 Kgである。機械の稼働状況には余裕がある。食品トレイの受け入れが増えれば、雇用者数も増える。工場にとっても望ましいことだ。また、企業が雇用した知的障がい者の方を、作業員としてエコミラ江東に派遣してもらう取り組みも進んでいる。さらには、知的障がい者の方々の職業訓練の場としてエコミラ江東を利用してもらうことで、社会福祉に貢献することも考えているという。都立特別支援学校からの実習体験も受け入れている。

もうひとつ、リサイクルと社会福祉のほかに、エコミラ江東が役に立っていることがある。それは、エコミラ江東で働くようになってから、障がい者の方と両親や家族との間でコミュニケーションや理解がが深まっているということだ。「うれしかったのは、何人かの保護者の方々が、ボランティアで自分の子どもと一緒に働いてみたい、と言って工場での仕事を体験しに来てくれたことです」と所長はうれしそうに話す。挨拶や返事がちゃんとできるようになったり、規則正しい生活習慣が身に付いたりと、自分の子どもが変っていく姿を見て、外でどんな仕事をしているのか、またどのように働いているのか知りたくなったのだという。

社会に必要なNPOになる

「リサイクルの輪も、障がい者雇用の輪も、確実に拡がってきています」と所長が言うように、協力してくれる自治体も企業も、保護者の方々も着実に増えている。経営も軌道に乗りはじめた。2年目は、1年目に築き上げた輪をさらに拡げる時期だ。「まず食品トレイの受け入れる量を増やし、障がい者の雇用を増やすことが第一。そのために、私たちの取り組みをよりたくさんの人に理解していただき、企業や自治体との連携をどんどん進めなくてはいけませんね」と2年目の抱負を語ってくれた。目標は、持続的に社会と地域の幸せに貢献できる新しい成功モデルを築くこと。こうして社会のお手伝い役となることで、NPOとしての存在意義も高まっている。エコミラ江東の今後にますますご期待ください。

『エコミラ江東』は、順調に稼働しています (会報地球船No12より)

江東区と地球船クラブが協力して生まれた、福祉と環境を両立する発泡スチロールリサイクル施設「エコミラ江東」。区内に9000ヶ所あるゴミ集積所から食品トレイなどを回収し、ペレット化して発泡スチロールの原料として納入する。食品トレイのリサイクル事業は全国各地で始まっているが、1つの自治体が管轄するすべてのゴミ集積所の食品トレイを再資源化する例は、全国で初めて。今年4月の稼働開始から7ヶ月。事業も安定し、工場内の稼働体制も整った。所長の鳥海武さんを訪ね、お話を聞いた。

障がい者への理解が、工場の成長になる

工場内へ入ると、開所して間もない6月に訪れた時と比べ、かなり整理されている様子だ。作業員の動線が確保され、知的障がい者の方々に向けた注意書きがところどころに貼られている。整理整頓や、原料を選別する際の異物除去など、根気よく障がい者の方々に覚えてもらったりして、作業場の問題点を一つひとつ解決したのだという。エコミラ江東で何よりも重視しているのが、障がい者の作業員と時間をかけてコミュニケーションを深めること。事務所には、障がい者の性格を理解することや、人格を尊重することなど、10の決まりごとが貼られているのが印象的だ。その結果、作業員同士の仲も深まり工場内の雰囲気も良くなった。作業員の手つきや動きも、明らかに以前よりスムーズだ。当初に比べると作業効率は驚くほど上がり、以前は1日の選別作業に8時間以上かけていたところを、今では5〜6時間で終わらすことができるようになったという。保護者からは、「挨拶をしっかりできるようになった」「生活習慣が身についた」などの声もある。今後は、民間企業で雇われることの難しい障がい者の方々にも働く場を提供できるように、作業内容を工夫していくことも考えている。

区民の協力なくして循環社会なし

 「エコミラ江東」での取り組みを少しでも多くの人に知ってもらうために、工場は誰でも見学することができる。区民や小学生、自治体、企業からの見学者も増えてきている。子どもたちには、工場で学んだことを家庭で話し、家族みんなの意識を高められるような説明を加える。例えば、食品トレイについた残飯を取り除く作業を見せながら、「みんなが食べ残しをすると、ここで働く人たちにとっても、食べ物を作ってくれた人にとっても悲しいことなんだよ」といったように、家庭での会話につながるように心がけて話をする。子どもたちも、リサイクルに協力し啓蒙活動をしてくれる立派な区民なのだ。

江東区発、福祉エコロジーの成功例になる

稼働効率が高まり、作業員にも工場の処理能力にも余裕が生まれ始めた。「エコミラ江東」の次のステップは、一人でも多くの区民、一つでも多くのスーパーや小売店へと区民リサイクルの輪を拡げていくことである。地域内でのリサイクルに取り組むことで、障がい者の方々が社会参加する場をつくることは、よりよい地域社会を、区民のみんなでつくること。江東区だけでなく、全国の自治体への広がりを期待したい。

見学のお申込み・お問い合わせ
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担当:鳥海 武(とりうみ たけし)
〒135-0052 東京都江東区潮見1-29-7
TEL:03-5632-8815 FAX:03-5632-8816
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